ハードな内容ながら、全てが今に繋がる素晴らしい経験でした

学校を卒業して最初に就職した会社は、大手自動車ディーラーでした。

当時、自動車販売の営業職は男性の数が圧倒的に多く、いわゆる男社会を間近で見ていて、世間の厳しさ、仕事の厳しさ、数字の厳しさを同時に知りました。

それまでの私は世間の企業と言えば株式上場しているような有名な会社名しか知りませんでしたが、高級自動車ユーザーには名前も知らなかった会社の個人事業主が多く、仕事の現場ではお客様からも様々なことを学ばせていただきました。

接客においては、若いお客様から御年配の方、単身者にご家族をお持ちの世帯主様、男性、女性とあらゆる方々に適した対応の仕方を考え、来店されるお客様のニーズに合ったサービスが提供出来るよう頑張りました。

努力の甲斐あって、電話の応対一つでも「先日はありがとう」というお礼の言葉を頂けるようになったり、お客様からの御相談も承るようになりました。

これは接客業をしていて最上級の喜びでもありました。

単に自動車ディーラーの一従業員という立場ではありましたが、自分の提供したサービスの内容に御満足頂けて、私自身を信頼して話をしてくださっているという充実感が得られたことは、その後の仕事をしていくうえでも大きな自信となりました。

仕事に慣れてくると、会社での評価も上がり上司からも一目置いてもらえる存在となり、何かと気にかけて頂きました。

仕事終わりには同僚を交えて上司が食事に連れていってくれたり、珍しいお菓子を差し入れてくれたり、年の離れた私のことを娘のように可愛がってくれました。

もちろん、完璧な仕事ばかりではなく失敗することや結果を出せないこともありましたが、そんな折にも上司は責めることなく善処の仕方を諭すように示してくれました。

まだ若かった私ですが、いつか自分も後輩が沢山出来た時、こんな先輩になりたいと思ったものです。

自動車業界というのはじつに多くの業種と繋がりのあるところで、エンドユーザー様だけではなく、輸送関連の業者さんや部品屋さん、鈑金工場の職人さん、保険会社の方々など、ありとあらゆる業界の人との繋がりで成り立っている仕事です。

それらの人たちとの交流があっての現在。

当時の職場での仕事は非常にハードでしたが、今の自分が生きている毎日に、何一つ無駄な経験はなかったのだと有難く思っています。